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湯面に髪が浸からないよう私とノエルの髪を結って、年頃の乙女の大敵である古臭い体重計を睨みながら改めて締め切られたドアを開いた。
「わーー!1」
「おぉ、これはすごい」
ノエルが声を上げるのも納得だった。
広々としたスペースの中央に櫓の様な舞台。
その周りを覆うように4つの風呂がそれぞれ覆っている。
どこからでも入れる上に種類も違うらしい、これはいいな。
そして外周部にはシャワーが配備されている。
ここで軽く流してから入れというらしい。
軽くコックを捻り、シャワー口から溢れる暖かい流れに身を任せる。
「とりあえずシャンプーとかはここに置いておけばいいか」
簡単に体を流した後に適当な一つに目を付けて足先から浸かる。
ジンワリとした温かさが足先に伝わり、ゆっくりと体ごと浸すと程よい温度が全身に満ちていく。
「はぁ、いい気持ちだなぁ」
なんだか気分までゆったりとしてくるような心地よさに浸る。
ここ暫く肩筋張るようなことも多かったし、力の抜き方を忘れていたかもしれない。
いい香りと心地いい湯加減、程よく静かなこの場所は休むのにちょうどいい。
定期的にここに来るのもいいかも知れない、お風呂が壊れたのも無意味じゃなかった。
「宮古お姉ちゃん、あっち行ってみよう?」
ノエルが指さす方を見るとそこにはジェットバスやジャグジーめいた風呂、よく見る電気ぶろや今回は入らないがサウナと専用の水風呂もある。
少し気分が上がってるのもあるかもしれない、こうなったら全部試してみるか。
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