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いっとき収まりかけた地面の揺れが、再び大きくなった。先ほどの揺れよりも、ずっと激しかった。
広場の人々は、誰もが立っていられなくなった。みな、その場にへたり込み、そばにいる者どうしで抱き合った。
突然、メリメリと音をたてて、地面が裂けた。裂け目は、広場いっぱいに広がった。
巨大な口のような裂け目は、王も、妃も、姫も、家臣たちも、そこにいた人々のほとんどを飲み込んだ。
みな、真っ暗な地中に落ちていく。誰もが狂ったように悲鳴をあげ、手足をバタバタさせながら、落ちていく。
王もまた、真っ逆さまになって、地中に吸い込まれていく。
そのとき、王は確かに見た、さかさまになった自分の「頭上」に、地底の、真っ暗な闇が迫ってくるのを。
王は愕然とした。
「そうだったのか……」
地底の暗闇が、王を飲み込んでいく。
〈了〉
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