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星の彼方へ続く黄色い帯は、光の速さで伸びていく。
だから、描いている自分自身でさえも、伸びているところを認知できない。
遥か彼方へ伸びる線は表現できない。
有限の宇宙の中では、理想的な道の形がないからだ。
どこからが存在しているのか。
境界線もはっきりしない。
ひとしきり考えると、頭が熱を帯びて霧がかかったように、ぼんやりとした。
膝を抱えて、目を閉じると肉体が消えて意識だけがゆらゆらと虚空へと舞い上がっていく。
地面を離れた肉体は、柔らかくて黒い空間へと消えていった。
気がつくと、闇の底のような息苦しい部屋の中にいた。
目を開けて見開いてみても何も見えず、手さ栗で床を確かめ立ち上がろうとした。
だが、すぐに天井に頭をぶつけて元の姿勢に戻る。
どうやらとても狭い所で座っていたようだ。
床から丸く壁まで手を這わせていくと、天井を通ってまた下へ行きついた。
尻の下には硬い物が当たって、確かに接地感があるのだが頭の上にも床がある。
そんな調子だった。
身をかがめたまま、どうにか膝立ちになって這い出すと手のひらと膝に当たる床は、少しずつ横へズレていく。
常に下にある物は確かなのだが、体をずらしても壁がすぐそばにあって、移動した気がしない。
心細くなってきて、手足に力を込めた。
動物にでもなったかのように身を低くして突き進む。
全身がカッと熱くなって、速度を上げていく。
とにかく体を伸ばしたい。
少しも変わらない状況が、よけいに自分を追い込んでいった。
ついには汗がにじみ、その場にへたり込んだ。
どれだけ進んだのか、視界がないからわからない。
だが疲れた。
出口を目指しても無駄かも知れない、という弱い気持ちが体を緩めていった。
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