センベツノウタ

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「……センベツ?」 「そう。人類にこの星で生きていく権利があるか、見定めるための選別です。一定の基準以下の個体を取り除き、経過を見守ることになったのです」 「わたしも、消されるのですか」  わたしは恐ろしくて、そう聞くので精一杯だった。 「消すのは記憶だけですから、安心してください。あなたはまだ、対象ではありません。今はまだね」  彼女はそう言うと、わたしの目をじっと見つめた。その吸い込まれるような青い瞳から目を離すことが出来ない。 「次の選別は、十二年後です。それまで、どうぞ良き人生をお送り下さい」  頭の中から、今見たことが塵のように吹き飛んでいくのがわかった。わたしはこのことを忘れ、普通の生活に戻るのだ。まだ生きていけることは素直に嬉しかったが、この事実を忘れたくない。わたしは全てを忘れてしまう前に、心の中で強く念じた。
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