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「これって偶然なんですかね。何かの事件に巻き込まれたんじゃないですか?」
島田さんは、妙に高いテンションでそう言った。
「俺の知る限り、あの三人に接点はないけどな。年もバラバラだし、仲がいいという話も聞いたことがない」
「……いやいや、共通点ならあるでしょ。もしかして、何かしらの組織に消されたとか」
「何を言っている?」
「わかるでしょ? あの人たちがいなくなると、会社的には損か得か」
「おいおい、お前」
課長がたしなめるが、島田さんは興奮気味に続けた。
「知り合いにも聞いてみたんですよ。失踪してる人間は、似たような人種ばかりらしいですよ。みんな口には出さないけど、内心スッキリしてるんじゃないですかね」
島田さんが言わんとしているのは、なんとなくわかった。彼自身も若い頃に沢木さんからいびられた過去があると、飲み会で愚痴を聞かされたことがある。
要するに、ある特定の人物を、実際に抹殺している誰かがいると言っているのだ。
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