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最後の最後までライラに主導権を握られたままだったが、オハムは無事にマヒワの弟子になれた……ようだ。
――ううッ! あたしの意思に関係なく弟子が量産されてく……。
あっという間に、きょうだい弟子の関係になった二人の背後で、マヒワは頭を抱えていた。
――なんなのよ、この独特の師弟関係!
――でも、なんで、古代イフレシア語まで知ってるのよ、この子は!
もはや、どうでもいいことまでをも、まぜこぜにして、やけ気味のマヒワであった。
――それにしても、
マヒワは、ふと、思い当たった。
――ライラちゃんの、自分の調子で事を運んでいく、あの口ぶり、あの身振り手振り……。なんとなく、あたしに似てるような……。
――確かに、師弟関係、できてるかもしれない。
マヒワはさらに憂鬱になった。
マヒワの弟子になったオハムは、当然のように孤児院に寝起きするようになった。
このことに対して、コエンは何も言わなかった。
むしろ、農作業などの人手が増えたことを喜んでいるように思えた。
確かに、オハムは器用で、何でもそつなくこなす。
面倒な重労働を言いつけられても、修行と割り切っているからなのか、嫌な顔ひとつせず、こなしていった。
もっと意外だったのは、子どもたちの受けがよいことだ。
子どもたちがオハムの傍によって行けば、必ず手を止めて、相手になるのだ。
オハムが傍若無人の振る舞いをするのは、武術界などの組織の中で権威風を吹かせた連中だけなのかもしれない。
「ししょー、今日は何をするんでしょーか?」
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