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白メガネ
それからしばらく経ったある日の仕事終わり。保田がタバコを吸いに喫煙所にいくと、あの白メガネがいた。
「お疲れ様です。はじめまして、1階の保田です」
「おおう、これは保田さん。はじめまして。赤澤です。お姿は拝見していたのですが、なかなかご挨拶できずすいませんでした。」
白メガネは今日も白メガネをかけていた。勉強会で見かけたときもそうだったが、やっぱり背がちっちゃいなぁと保田は思っていた。丁寧な物言いでなかなかいい人じゃないの。保田は思い切って聞いてみた。
「赤澤さん。体調は大丈夫ですか?栄養失調で倒れられたと聞きました。」
「え。ああ…… いやお恥ずかしい。そうなんですよ。あまりご飯を食べてなかったら倒れてしまいまして、そう診断されたんです。今日も昼にお菓子を摘んだだけなんですよ。」
え、そうなんですか!と驚き、保田はお昼に食べなかったおにぎりがあることを思い出した。
「赤澤さん、よかったらおにぎり食べませんか?私、お昼食べに行っちゃって残ってるんですよ」
保田が白メガネにおにぎりを渡すと、いいんですか!といって嬉しそうに食べ始めた。
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