愛おしい我が子

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 千花の口が少し開いて「ふぇ……」と泣きそうになり、一瞬ドキッとする。抜きかけた腕は一旦停止して、落ち着くまで待って寝息を確認した。相変わらず、プスーという音にホッとする。  そしてゆっくりと腕を抜くことに成功した。小さくガッツポーズをして、達成感に浸っている。壁掛け時計の針は四時を過ぎていた。  あぁ……やっと……寝た……。千花の寝顔を見ながら、私はそのまま意識を失うように眠りについた。  朝六時、旦那に起こされると、私はベビーベッドの横で力尽きていたようだ。寝た気がしない。身体がだるい。とりあえず、ささっと旦那の朝ご飯を作った。少しずつ脳が起きてくる。 「私の好きな歌を歌ったら、千花が寝てくれたのよ」  興奮気味に話す私とは逆に、朝のニュースを見ながら「へぇ」と声が聞こえた。 「英才教育が良かったんじゃない?」  と、ハムエッグを口に頬張りながら旦那が言った。 「英才教育?」 「胎教だよ。お腹にいる時からアイドルの曲聴かされてたんだよ。それはもはや英才教育でしょ」 「アイドルオタクになるべく?」 「そう」
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