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2.
「ありゃ~。誰もいないと思ったのに、やっちまったか!」
カトリさんはすぐにこの三人に気が付いた。
彼らの魂が空をふらふらと漂っている。カトリさんの歌に呼応したのだ。
「しょうがないな~。お~い、戻ってこ~い」
カトリさんが呼びかけると、三人の魂はゆっくりと自分の体のほうに近寄って来た。
「そうそう~。いい調子だ~。戻れ~、戻れ~。自分の体に入れ~」
カトリさんは歌うように魂に呼びかけてやる。
最も、この方法でいいのか、はっきりと分かっている訳ではない。
なんとなくやっているだけなのだが、実際、魂は戻っているから、間違いではないのだろう。
「よ~し、三人とも大丈夫かな…」
魂が大人しくそれぞれの体に戻ったようなので、カトリさんはほっとした。
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