夜を歌う

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 マリアの歌声が、また聞こえてきた。囁くような、つぶやくような歌い方。  マリアは、誰に、なにを伝えたいのだろう。  マリアを「」の道から外した出来事に由来するのだろうか。  それとも、私と会うまでの、いつかの時代の誰かに思いをはせているのだろうか。  見知らぬ歌を、マリアが歌う。  夜風が、私たちに触れていく。  マリアの手は私の頭を、優しく撫でる。  でも、マリアは見知らぬ夜に、私を置いていく。
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