王子、魔将軍に遭遇する

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 こうしてゲームの世界に転生した俺は、予想通り、父親である国王の命令に従い、魔王討伐のために旅立つことになった。  装備品はショートソード、レザーアーマー、レザーシールド。 「はあ。相変わらずしょぼい装備品だな」 「文句を言うでない。今、国は魔王のせいで財政難なんじゃ。より強い装備が欲しければ、魔物を倒して、金を稼ぐがよい」 「わかりましたよ。父上」  財政難を理由に、こんなしょぼい装備品よこすのなら、その身に着けている宝石や貴金属類を売っ払えよ、と内心ツッコミを入れたが、言ったところで、何もしないだろうな、と思った。  所詮はゲームの世界の住民だし。  だが、俺はこのゲームを知り尽くしている。  最後までクリアしたのはもちろんのこと、隠しアイテムの場所も知っているし、本編とは関係のない隠しボスだって倒したことがある。  必ずやレベルアップして、お金を貯めて、いい装備を入手し、ラスボスである魔王を倒し、賞賛と栄光の日々を送ってやる。  そう思いながら、俺は城の外に出て行った。
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