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王子はどこへ?
現在、ナーロスター城では大掛かりな修復作業や清掃作業が行われている。
魔将軍が配下の魔物達と共に攻めてきて、あちらこちらを破壊された上、死者も多数出ているからだ。
彼らは攻め落とす気でいたが、叶わず、撤退していった。
火の手も上がっていたが、ひどくならないうちに消し止められた。
「騎士様が次々と殺された時は、どうなるかと思いましたよ」
「ほんと、ほんと」
「王子様には感謝しかありませんよ。王子様が魔将軍を退けたからこそ、我々は生きているのです」
「流石、王子様! 俺達にできない技を使って、魔将軍を撃退するなんて! ……憧れたりはしないけど」
「わかる、わかる。あの魔将軍、キザそうな奴だったから、たまんなかっただろうな」
作業しながら口々に話す人々。彼らによると、魔将軍と配下の魔物達は撤退していったらしい。
城を偵察した上で王子が魔物と戦っている様子を見て、今なら勝てると確信した魔将軍。
そんな彼らが、なぜ撤退したのか。
時は少し前に遡る。
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