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確かに、コイツは従業員や常連客からは、好かれていて、尊敬だってされている。
人を惹きつける、天性の魅力を持っているようだった。
この数ヶ月見てて感じたのは、この男には裏表がない、媚びない
相手が誰だろうと、客はみんな同じで同等。
そして何より、従業員を大事にし、感謝している。
客と従業員の笑顔を見てる時、この男は1番幸せそうな表情をするし、トイレ掃除だって当番に自分も組み込んでいる。
私が、この男を嫌いなのは、単に自信過剰のチャラ男ってだけじゃない。
それは……。私とは正反対だから
キラキラと輝いていて、周りの人間さえ笑顔にしてしまう。
光を無くして、闇に堕ちるだけの、穢い私とは真逆の人間。
私は、そっちに行けないし、行きたいとも思わない。
闇に堕ち、早く終わりを迎えたいーーーそれが望み。
「着いたぞ」
海沿いにある一軒の店。
どう見ても閉まってそう、だって外から見る限り、店内は暗くなっている。
オーナータクマの後を追い、私も店の前まで来た。
勝手に扉を開けて「わざとっすよね」と、誰かに話しかけている、急に腰に手をまわされ、店内へ引き込まれた。
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