1.Why

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「美味しい」 「だろ?まっ俺の方が、上手いけど」 ルイさんの料理は、どれも美味しくて、見た目も綺麗で女が好きそうな物で。 さぞ、代わる代わる女達を、連れてきてるんだろう、と思った。 「あ?店じまいした店に来といて、お前は俺にケンカ売ってんのか?」 「売ってないっすよぉ、単に俺が正直者なだけっす」 「お前、もう食うなっ、ったく初めて女連れてきたから、腕によりをかけてやったのに」 「あざーっす」 「お前は、まったく」なんて呆れた表情をしながらも、ルイさんの顔は綻んでいて、可愛がってる感じが伝わってくる。 けど……今ルイさん”初めて女を連れて来た”って言った、よね。 聞き間違い?それともルイさんなりの気遣い? 「あいつら元気にしてるか?」 「いつも通りっすよ、来ないんすか?」 「あぁ、連絡はたまに入るけどな」 「ふーん」 「サナちゃん、ケーキ食べる?」 まだ私が返事もしていないのに、ルイさんは、またもや厨房へ消えていってしまった。 そんなルイさんと、入れ替わるように。 「あー、タクちゃんじゃんっ、久しぶり~」 「おー」 「えっ、タクちゃんの彼女っ?綺麗、顔ちっちゃ手ぇながっ、ウエストほっそーい!お人形さんみたいっ」 車椅子に乗った女性が、現れ早口で私を褒めた…たぶん。
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