1.Why

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関係を持った女ですら”神代さん”と呼んでいるのを、不思議だなと思ったから間違いない。 そんな彼女は車椅子を上手に操縦し、厨房へ入っていった。 「ルイさんの妹」 「あ、うん」 会話で理解できた、けど…。 「うっせぇだろ、あと、悪気はねぇ」 「えっ」 「見た目、言われんの、イヤなんだろ?」 「別に、そういうわけじゃ…」 ルイさんの妹さんに、悪気がないのは分かってたし、嫌味な感じもなかったから、気にしてないつもりだったのに、どうやら顔に出てたみたいだ。 厨房からは仲良さげな、言い合いが聞こえてくる。 レンさんが怒り気味に話し、ルイさんは優しく答えてる。 「仲がいいんだ」 「あー、昔はそうでも無かったけどな、ハスが事故ってからかな、ルイさんがハスを妹として扱いだしたのは、異母兄妹なんだよ」 「そ、なんだ」 それでも、私達とは大違い。 私の義兄は、私を”物”としか思ってない。 欲を吐き出す道具…としか思ってない。 ルイさんが持ってきてくれたケーキは、チョコレートとラズベリーのケーキで、ドンピシャで私の大好物だった。 店を出る時、ルイさんとレンさんが「また来てね」と、偽りのない笑顔を向けてくれ、あまりにも眩しすぎて私は、直視できなかった。
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