2.Guys

15/23
前へ
/340ページ
次へ
「タクマも一緒に風呂入ったり」 「してねぇよっ、ソウタさんアイツ誰だよっ」 俺と同様に、タクマのイラつきもマックスみたいだ。 「Crowーー現時点で、世界ナンバーワンハッカー」 「「クロウ?」」 「直訳ではカラスだな」 「だから、さっきカラスの鳴き声」 「男…だよな?」 「俺も知らねぇ、つうか、誰もカラスの正体なんか知らねぇよ。あ、誰もじゃねぇな、サっちゃんと、さっきのおっさんは知ってるみたいだし」 口調は男っぽかった、けど、声はボイスチェンジャーで変えられ、女と言われれば女だし男と言われれば男、要するに声じゃ判断できねぇって事になる。 コウキさんが、タバコに火をつけながら、冷静に口を開いた。 「まっ、カラスの言う事も一理ありだな。タクマは見境なく、女と遊んだで済むけど、サナは男からは軽い女だと思われ、女からは妬みの対象になるだろうな、穏やかな日常は奪われ、危険なめにだって遇うだろう」 本気でタクマを、警察につき出すつもりでは無かった。 タクマが、人間的にいいヤツだって事は、俺だって十分わかってる。 10年もダチなんだ。 けど、女関係はなぁ……。 まぁ、他人の事を、とやかく言えた身分じゃねぇけど。 「本気なのか、タクマ」 「あぁ、一生離したくねぇっ、てくらいには本気だ」 「なんだよ、それ。サナと結婚してぇって事かよ」 「だな」 「悪夢だな」 サナが結婚とか…マジでイヤかも、俺。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

143人が本棚に入れています
本棚に追加