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「そんな事言ってるから、ノブが狙ってた女、シンにもってかれそうだよっ」
「うわっ、マジかっ」
「ちょっと行ってくるっ」ノブは慌ててフロアへ戻って行った。
ノブとシンは、このClubへ初めて来た日に、知り合いになった。
最初こそ、警戒したが、私には無害な人達で、店で会えばさっきのように、私のお守りをする。
「いいの?カレシ行っちゃたけど」
カレシじゃないし、つうか何?やっと1人になれたのに、また変な男が声を掛けて来た。
「おーい、聞こえてる?」
耳元で話しかけてくる男に、不快感を顕にした顔を上げる。
話掛けてきた男は、この店のオーナーである、神代 匠真だった。
まだ20代半ばという年齢で、自分の店を持つ男。
顔は皆が口を揃えて言うほどの、イケメンで独身、彼女ナシ。
身長も180を少し超えてるだろう、引き締まった細身の体に、人懐っこそうな笑顔に高いコミュ力。
そして引切り無しに寄って来る女を、その日の気分で選ぶ。
男も男なら、それに寄っていく女も女だ。
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