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「シグレ…考えたけど、やっぱ無理だ」
「なにがだよ」
「プラトニックってやつ、サナが隣にいたら、手ぇ出す自信しかねぇ。つうかさ、俺…サナにしか勃たねぇ体になった」
「・・・は?」
「試せば勃つかもしんねぇけど、その気になんねぇんだよ。他の女とか、どーでもいい、体力と時間の無駄としか思えねぇ」
「ぜってぇ、てめぇとは、付き合わせねぇっ!」
真面目な顔で、ナニ語ってくれてんだコイツ。
そしたら、あんなコトやらこんなコトを、全部サナとスるって事だろうが。
「拒絶されたクセに」
「てめぇもな」
「シーくんなんか、いらないって、言われたクセに」
「てめぇは、バカって言われたクセに」
「抱きしめてぇなぁ、それだけも、満たされんだよ実のところ。猫みてぇに、俺の腕ん中で眠んの」
なんて顔してんだよ、てめぇのそんな顔、初めて見たっつうんだよ。
愛おしそうな顔して、思い出すように話すタクマは、本当に初めて見る顔をしていた。
「猫じゃねぇ、ウサちゃんだ」
「あ?」
「サナが1番似合うのは、うさ耳のパーカーだった」
「はぁ?」
ほれ見ろと、俺は、自慢気にスマホを掲げた。
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