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3.Crow
「シーくんに会った」
湯船に浸かりながら、髪を洗ってるクロに話し掛けた。
「で?どうだった」
「まだ”お兄ちゃん”なんだって」
「図々しい、男だな」
そんな言葉を、言っておきながらクロは、なぜか笑ってる。
「あとね、タクマと終わらせた。なんかシーくんと友達っぽい、それと…」
「告白でもされた?」
「なっ、なんで?ハッカーって心まで読めるのっ?」
「んなわけないじゃん。サナに対しては、噂と違ってたから、そうかなぁって思ってた」
「そう、なんだ…」
噂…知ってたんだ。
クロ、夜遊びとかしないのに…。
仕事で出掛ける時だって、必ず眞鍋さんの車だし、そんな事だって滅多にないし。
そもそも、外出するの嫌いじゃん、なのに何で噂知ってんのよ。
まさか、ハッカー界でも有名なわけ?ブラックリストか何かに載ってるとかっ?
「サナは、それでいいの?」
「うん、別に平気」
「大崎の事、大好きなのに?」
「別にっ、そんな…昔の事だよ」
「サナは、今でも大崎の事を大事に想ってる、だから自分から遠ざけようとしてる、ってボクは思うけど?」
違う?なんて、少し微笑みながら、私を見る。
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