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それから、湯船に入ってきて、私の頭に手を置きながら。
「神代の事も、いいの?」
「うん、そっちは全然」
「そう?本当に?」
タクマの隣だと眠れる事を話してから、クロは難しい話ばかりしてくる。
「本当に!」
眠れるのだって、単にタクマが、いい匂いで温かくて、腕の中が落ち着くからってだけだし、他に特別な感情なんて無い。
それなのに、クロは事あるごとに「それは何でか、考えな」とか、言ってくる。
「イーグル、どんなヤツだった?」
「えっ」
急に、話題を変えたクロに驚きながら、視線を絡めると。
「会ったんだろ?櫻井 蒼汰」
「んー、優しそうだけど掴めない感じの人、どれが本当のアオなのか分からない」
「”アオ”って呼んでんだ、初対面なのに」
そう言われてみればシーくんもタクマも”ソウタさん”だった。
唯一、コーだけが”アオ”って呼んでたような….。
不思議な4人と、不思議な空間だった。
居心地が良いような、悪いような。
ずっと居たいような、居たくないような。
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