3.Crow

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* 来てしまった。 ここに来たからって、シーくんが居るとは限らない、でもこないだ、アオが”留守番ご苦労”って、言ってたし、もしかしたら…。 「あれ?サっちゃん?」 「えっ」 「どした?入りなよ」 それでも戸惑う私に。 「今コーしかいないから、アイツも寝てっかもだし」 アオは、背中を押すように、階段を降りさせた。 扉を開けると、店内には誰もいなくて、アオが照明のスイッチをいれながら。 「やっぱ、あいつ寝てんな。奥に部屋あってさ、そこが仮眠室兼イーグルの作業場なんだよ」 「あのっ、ごめんなさい」 「ん?なにが?」 「こないだ、人前でアオがイーグルって…」 「あいつらは知ってるから平気、それよりサっちゃんホットチョコ飲む?」 温かいチョコ?ドロドロになったチョコを、食べるんじゃなくて飲む? 私が、不思議そうな顔をしてるのに気付いたのか、アオはクスクス笑いながら。 「作るから、飲めなかったら残していいよ」 そう言って、カウンターの向こう側へ行って、作業を始めた。
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