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「学生の頃さ、カフェでバイトしてた事あって、そこで覚えたんだ」
「なんか似合うかも、…なのに、何でハッカーになったの?」
「Sakuraiエレクトロニクスって、知ってる?」
私は頷いた。
日本のみならず、海外でも名の知れた大企業だ。
そっち方面に疎い私だって、会社の名前を知ってるくらい大きな会社。
「そこ、俺の実家」
「え」
「昔から、パソコンいじったりすんの得意だったんだよ、んでハッカー」
「次男なの?」
「長男ですよぉ。こう見えて俺、お兄ちゃん」
こう見えてって、ちゃんとアオは、お兄ちゃんっぽい。
だから、長男じゃない方が、不思議だと思ったから、さっき質問をしたのだ。
手際よく作られた、ホットチョコなるものが目の前に置かれ、マグカップからはユラユラと湯気が上っている。
「熱いから、気をつけてね」
「いい匂い」
「でしょでしょ~?コレだけは、ルイやタクマより上手く作れんの、俺」
「ルイさん?」
「ルイ、知ってんの?」
タクマに、連れて行ってもらった事があることを、簡単にアオに説明をした。
もしかして、あの時ルイさんが言ってた”あいつら”って、コーとアオの事?
「そっか…ルイはさ、俺とコーとはタメで、タクマとシグレは1個下なんだ。シグレ以外は、中学ん時からつるんでて、タクマ達が高校に入って少しした頃かな、タクマがシグレを連れてきて、そこからつるんでる」
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