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「ルイは卒業して専門行ったから、今じゃ、あんま会わないけどね」
「食べに行かないの?」
「俺は、たまーに行くよ。でもルイの店いつも混んでるからさ、なかなかね」
その後、少しだけ学生時代の話しをしてくれた。
シーくんが今と違ってトゲトゲしてた、とか。
喧嘩すると誰も手がつけられなかった、とか。
「シグレさ、家に帰りたがらなくて、タクマんちに住んでるようなもんだった。シグレも、まぁ大変な事があったんだろうね」
これって、さりげなくシーくんをフォローしてる?
私と離れてた時の、シーくんを教えてくれてる?
やっぱ、ちゃんと”お兄ちゃん”だよ、アオは。
「あの2人の、あんな顔、俺初めて見た」
「ん?」
「タクマとシグレ」
あんな顔って言われても、私には分からない。
そんな時、私達以外の声が入って来た。
「なんでソウタさんがサナと2人でいんだよ」
「おや、お2人さんデートかい?」
「ナニも、されてねぇか?」
アオの言葉にイヤな顔を見せたものの、すぐさま私に駆け寄ったタクマが、おかしな事を言った
「失敬だな、お話してただけ、だよね?サっちゃん」
「コーまだ起きない?起こしてきてもいい?」
タクマを無視して椅子から降りると、アオの手が私の手を包んだ。
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