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私の言葉にコーは小さく頷いて、視線を私からスマホへ移した。
私も、コーの方からカウンターテーブルに顔を戻し、アオが作ってくれた、少し冷めたホットチョコを口に入れた。
大好きな甘いチョコの味が、口の中いっぱいに広がる。
「美味しい」
「良かった、いつでも飲みにおいで。サっちゃんなら、いつでも大歓迎だからね、俺は」
「でも……」
コーは迷惑なんじゃ…。
「あ、コウ?大丈夫だよ。機嫌悪いのは、サっちゃんが来てるのに、俺が起こさなかったのが、気に入らないだけだから、まったくガキで困るよね」
「あ?んなこた一言も言ってねぇだろ、しかもガキってなんだガキって。てめぇだけには、言われたくねぇなぁ」
「ほらね、ガキでしょ?」
笑いながら、コーを指差し首を傾ける。
コーも、本気では怒ってないから、コーとアオの仲の良さが伝えわってきた。
「クシュンッ」
少し肌寒くなってきた、パーカー、羽織ってくれば良かった。
私は、異常に寒がりだ。
偏食や寝不足が、原因なのかは分からないけど、凄い寒がりである。
「これ、掛けとけ」
タクマが、自分の着てたスーツの上着を、掛けてくれた。
タクマの匂いと、まだ残る温もりに包まれる。
このところ眠れてなかったから、こんな事をされたら、眠くなってしまう。
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