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<Crow>
ここが、サナが言ってた場所か。
「誰だ」
こいつが、東城 光輝だろうな。
「いつぞやは、サナを助けてくれて、ありがとう」
これは、ボクの本心だ。
どれだけ、敵意をむき出しにされようとも、サナが無事だった事の方が、ボクには大事なこと。
そして、何でこんな状況なのか分からないが、ボクの可愛い姫は、神代の腕の中で眠っている。
「こんな顔して眠るんだね、本当に可愛いな、まさしく眠り姫ってところかな」
「あ?」
今にも、噛み付きそうな表情で、ボクを見る神代と大崎。
ただ1人、櫻井だけは”無”だった。
ボクが誰か気づき、己を悟らせないようって感じかい?
「てめぇ、カラスか」
「なんで、わざわざ日本訳するかな、まっいいけど。どっちでも」
他人に、どう呼ばれたって構わない。
ボクは、サナ以外の人間に、興味なんか無いからね。
ボクの世界には、サナだけいれば、それでいいんだ。
狂ってる?
知ってるよ。
ボクはサナに、もう1度会うために、どんな事でもガマンした。
サナに会うために、どんな事でもした。
そして、サナの傍に、今こうしているんだ。
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