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扉が開き、眞鍋が顔出す。
「サナさん、運びますか?」
「いや、いい。1時間ほど自由にしててくれ」
「承知しました」
再び、サナへ視線をやった。
そんな、安心しきったように身を委ねているのに、なんで自分の気持ちに、気付かないんだか。
どうすれば気づくんだろうね、サナは。
「お前は、サナが人殺しって言ってる意味を、知ってるか?」
「知ってるさ、もちろん」
「サナは、本当にっ」
「それを、知ってどうする」
ボクは、大崎の言葉を遮った。
「変わんねぇよ、ただ、サナの背負ってるモンを知りてぇ」
答えたのは、神代だった。
ブレないねぇ、キミ。
「サナが、直接手にかけたかって話ならNOだ、サナが誰かに依頼したか、それもNOだ」
「遠まわしな言い方やめろ」
「その話を、ちゃんと知りたいなら、最初から話す必要がある」
サナは、望まないだろう。
寧ろ、知られたくないだろう。
でもボクは、この4人にーー神代 匠真に懸けたい。
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