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「まず、サナは菱川財閥のご令嬢だ。現在分かってるだけで、菱川の血を引いてるのは、サナしかいない」
サナが生まれてきた経緯。
どんな育ち方をして、今どう生きてるのか。
菱川の家での扱い。
ムサシさんとの出会い。
そしてーーあの事件の事。
ムサシさんの死は、自分のせいだから、自分は人殺しだと言ってる事。
サナが、眠れなくなったーーいいや、眠らない選択をしてる理由。
全て話した。
「東城と会ったのは、その日だ」
「……」
「東城が居てくれて良かった、先客がいなければ、サナは、あそこから身を投げてたからね。そしたら、ボクとは再会してなかった」
そう、ボクはサナに生きる目的を与えて、サナが生きる事を引き伸ばしている。
「再会?サナとは、前から知り合いなのか?」
「そうだよ、有村や大崎よりも前にね。ボクは、サナの笑顔と澄んだ心に救われたんだ、だからね、サナが幸せになるためなら、何だって出来る、サナが生きてさえいてくれれば、ボクは、それだけで幸せなんだよ」
「俺達よりも、前って…」
幼い頃、初めて日本にきた。
飼い主の仕事の都合で、一緒に連れて来られた。
ボクは、…奴隷だった。
金持ちの飼い主、そして、その仲間達の……。
変わった髪色、オッドアイの瞳、風変わりなボクを、変態達は気に入った。
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