3.Crow

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「おにゃまえはぁ?あたちはねぇ、しゃにゃ」 「SHANYA?」 「ちーがぁうー、しゃにゃ、だよ」 自分の顔を差しながら女の子は、何度も同じ言葉を言うーー名前か? 「サーシャ、My name」 「しゃーしゃ?にてるねっ」 通じたみたいだ、ちょっと言えてないけどねっ。 でもそんな事は、どうでもいいんだ。 ボクは、次の日も同じ公園へ行った。 そして、SHANYAと遊んだ。 SHANYAは、いつも何かを話しかけてくる。 この子の、言ってる言葉を知りたい、この子と話しをしたい。そう強く思うようになった。 運が良い事に、ボクのIQは人並み外れていた、だからボクはSHANYAの言葉を、密かに録音し、帰ってからPCで訳し、日本語を勉強した。 シャニャというのは、幼い子独特の未発達の言い方で、推測するに”サナ”が正解みたいだ。 サナと、公園で遊ぶようになって5日、明日は国へ帰る日。 もっと、ずっと、この子と居たい。 サナといると、汚い世界も醜い人間達の事も、自分がされてる事も忘れられるほど、癒され心が澄んだ。 だって。 「しゃーしゃ、かみ、ちれー、おめめも、ちれーな、いろだね」 ボクの髪の毛を掬って、屈託の無い笑顔で、目を覗きこむんだもの。 好奇な目でしか、見られた事がない、ボクの髪と目を、純粋に綺麗だと言ってくれて。 穢れきってるボクに、笑顔を向けてくれる。 あの頃から、ボクはサナを愛してるんだ。
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