143人が本棚に入れています
本棚に追加
「おにゃまえはぁ?あたちはねぇ、しゃにゃ」
「SHANYA?」
「ちーがぁうー、しゃにゃ、だよ」
自分の顔を差しながら女の子は、何度も同じ言葉を言うーー名前か?
「サーシャ、My name」
「しゃーしゃ?にてるねっ」
通じたみたいだ、ちょっと言えてないけどねっ。
でもそんな事は、どうでもいいんだ。
ボクは、次の日も同じ公園へ行った。
そして、SHANYAと遊んだ。
SHANYAは、いつも何かを話しかけてくる。
この子の、言ってる言葉を知りたい、この子と話しをしたい。そう強く思うようになった。
運が良い事に、ボクのIQは人並み外れていた、だからボクはSHANYAの言葉を、密かに録音し、帰ってからPCで訳し、日本語を勉強した。
シャニャというのは、幼い子独特の未発達の言い方で、推測するに”サナ”が正解みたいだ。
サナと、公園で遊ぶようになって5日、明日は国へ帰る日。
もっと、ずっと、この子と居たい。
サナといると、汚い世界も醜い人間達の事も、自分がされてる事も忘れられるほど、癒され心が澄んだ。
だって。
「しゃーしゃ、かみ、ちれー、おめめも、ちれーな、いろだね」
ボクの髪の毛を掬って、屈託の無い笑顔で、目を覗きこむんだもの。
好奇な目でしか、見られた事がない、ボクの髪と目を、純粋に綺麗だと言ってくれて。
穢れきってるボクに、笑顔を向けてくれる。
あの頃から、ボクはサナを愛してるんだ。
最初のコメントを投稿しよう!