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数えきれない骸は無言の訴えを宵闇へと消し去り───
溶け出し───
神も仏もいない、堕天使達の謳は「悠久の遥か彼方の闇へと還す絶望のドレミの歌」を奏でた。
多くの余多の血の臭いはカラスの群れを歓喜させて、血の池に伏して漂う、死肉の晩餐。
彼ら彼女らの欲望は果てしなく広がる世界のようであり、貪り喰らっても満たされることのない空腹。
煉獄の死の屍の世界で立ち尽くす彼は何を思い、何を願い、何に祈る………?
無駄な足掻きをしたところで愛する人達は身体を置き去りにしていると言うのに───
今さら何が出来るというのか。
彼の「記憶」はそれら余多の光景。
………赤い……赤い………血…………赤い満月………。
希望はどこに隠れ、世界のどこでかくれんぼをしているのだろう……。
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