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彼女の明るい声で我に返る。
「おすすめランチ二つになります」
ほくほくと湯気の立ち上がるスープを目にしたのはいつ以来だろう。
「ごゆっくりどうぞ」
微笑みと共に言葉を放つ女性の給仕の声が、なぜかアーネストの耳にいつまでも残った。
「ほらほら。閣下。美味しそうじゃないですか。あたたかいうちに食べましょう」
「そうだな」
アーネストの言葉にジョアンは目を丸くした。
「どうしたんですか? 閣下。急に素直になって。それはそれで、気持ち悪いんですけど」
相変わらずジョアンは生意気である。
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