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アーネストの姿を見たのは十二年ぶり。だけど、すぐにわかった。髪は長くなっていたが、少し痩せただろうか。
(どうしましょう、どうしましょう……)
自然と顔がにやけてくる。嬉しくて、涙までこぼれそうになる。
「エミさん、エミさん、どうしましょう。あ、注文です。おすすめ二つです」
「はい、おすすめ二つね。って、どうしたの? リリー」
「アーネストさまが、いらしてくれました」
「あらあら……」
エミは食堂で働く女性をとりまとめている中心的人物で、オレリアの事情も知っている。ダスティンが協力を頼んだのが彼女なのだ。
「よかったわね、リリー。さ、さ。泣くんじゃないよ。まずは、料理をしっかりと食べてもらおうね。この日のために、あんたもせっせと料理をしていたんだろ?」
「……はい」
オレリアは食堂で主に給仕を担当していたが、それ以外にも料理を担当することもあった。
トレイの上に用意された料理を並べていく。パンにスープ、それからメインの肉料理。
訓練などでお腹を空かせた兵士たちのために、お昼はお腹にたまるものを準備している。それから付け合わせの小皿の料理。
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