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(これでは、オレリアの次の相手が決まらないのでは?)
一夫多妻が認められていなければ、一妻多夫も認められていない。オレリアはアーネストと別れない限り、次の相手と結ばれることはないのだ。
だから今、アーネストがオレリアを縛り付けている形になる。
「おまたせしました」
女性の軽やかな声で顔をあげると、リリーが食事を運んできたところだった。
「こんな遅くまで、ここで働いているのか?」
不意にアーネストの口から、そんな言葉が漏れた。
この食堂は、一日中開いている。早朝でも真夜中でも。それは交代で任務につく兵のためでもある。
そしてアーネストが遅い夕食のために訪れた時間帯は、子どもはすっかりと寝入っている時間であった。
「まだ、日が替わるまでには二時間ほどありますから」
目を細くしてにっこりと微笑む姿に、アーネストの気持ちがなぜか高まった。
「だが、外は暗いし人通りもない。いつもこんな時間まで働いているのか?」
「いえ、今日はちょっと頼まれたので。次の担当の方がちょっと遅れるみたいで。その方が来たら帰ります」
「そうか」
「ごゆっくりどうぞ」
彼女と話をするのは何度目かわからない。
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