第十三話

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(これでは、オレリアの次の相手が決まらないのでは?)  一夫多妻が認められていなければ、一妻多夫も認められていない。オレリアはアーネストと別れない限り、次の相手と結ばれることはないのだ。  だから今、アーネストがオレリアを縛り付けている形になる。 「おまたせしました」  女性の軽やかな声で顔をあげると、リリーが食事を運んできたところだった。 「こんな遅くまで、ここで働いているのか?」  不意にアーネストの口から、そんな言葉が漏れた。  この食堂は、一日中開いている。早朝でも真夜中でも。それは交代で任務につく兵のためでもある。  そしてアーネストが遅い夕食のために訪れた時間帯は、子どもはすっかりと寝入っている時間であった。 「まだ、日が替わるまでには二時間ほどありますから」  目を細くしてにっこりと微笑む姿に、アーネストの気持ちがなぜか高まった。 「だが、外は暗いし人通りもない。いつもこんな時間まで働いているのか?」 「いえ、今日はちょっと頼まれたので。次の担当の方がちょっと遅れるみたいで。その方が来たら帰ります」 「そうか」 「ごゆっくりどうぞ」  彼女と話をするのは何度目かわからない。
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