第十四話

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第十四話

 オレリアからの返事はまだ届かない。手紙を送ってから、一か月以上も経っている。ダスティンに探りを入れても、探りにならない。やはり、首都まで行くべきか。だけど、オレリアには会いたくなかった。 「……閣下、閣下」 「なんだ?」 「どうしました? ぼんやりして……最近、ひどいですよ? もしかして、平和ボケ? とうとうボケた?」  平和ボケと言われればそうなのかもしれない。だが、まだまだ油断はできない。 「お前……最近、調子にのってないか?」  腹の底から響くほどの低い声とともに睨みつけると、ジョアンはぽっと表情を明るくする。 「それ、それですよ。それ。やっぱり、閣下はそうでなくちゃ」  ジョアンは嬉しそうにパンにかじりついた。  実際、食堂で食事を取るようになってからは、鬱々とした気分が薄れていった。オレリアのことはもちろん気になりつつも、ここは相手の出方を待つべきと、腹をくくった。ただ、婚姻状態にある間は、オレリアは新しい相手と結ばれることはない。それだけが気がかりである。 「リリーさんといえば、僕、見ちゃったんですよね」
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