第十五話

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 マルガレットはそう言っていた。目の前の男たちは見るからに変な男に分類される。  オレリアは逃げた。逃げたがこの辺の土地勘が全然ない。どの道をどこに抜けたらどこに出るのかなど、まったくわからない。わかるのは寝泊まりしている家と食堂の間の道くらい。  だからすぐに彼らに捕まった。 『……きゃっ』  壁に追いやられて、声を出せないようにと口を押さえられる。 『……やっ……んっ』  男たちの気持ち悪い手が、オレリアの身体中をなで回す。 『おぉ。ほんと、いい身体してやがる。俺、勃ってきちまった』  足のない虫が身体中を這い回っているような感じだった。ぞわぞわとした感覚は、プレール侯爵夫人から鞭で打たれたほうがマシだと思えるくらい。  ガクガクと足が震える。  怖い、怖い、怖い――。 『何をしている』  涙で視界がぼやけていても、声だけで誰が来てくれたかだなんてすぐにわかった。  ガイロに来てからは、数回しかやりとりをしたことがない。それも客と給仕という関係であるけれど。  身体に衝撃が走って、倒れそうになった。それを支えてくれたのがアーネストだ。
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