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マルガレットはそう言っていた。目の前の男たちは見るからに変な男に分類される。
オレリアは逃げた。逃げたがこの辺の土地勘が全然ない。どの道をどこに抜けたらどこに出るのかなど、まったくわからない。わかるのは寝泊まりしている家と食堂の間の道くらい。
だからすぐに彼らに捕まった。
『……きゃっ』
壁に追いやられて、声を出せないようにと口を押さえられる。
『……やっ……んっ』
男たちの気持ち悪い手が、オレリアの身体中をなで回す。
『おぉ。ほんと、いい身体してやがる。俺、勃ってきちまった』
足のない虫が身体中を這い回っているような感じだった。ぞわぞわとした感覚は、プレール侯爵夫人から鞭で打たれたほうがマシだと思えるくらい。
ガクガクと足が震える。
怖い、怖い、怖い――。
『何をしている』
涙で視界がぼやけていても、声だけで誰が来てくれたかだなんてすぐにわかった。
ガイロに来てからは、数回しかやりとりをしたことがない。それも客と給仕という関係であるけれど。
身体に衝撃が走って、倒れそうになった。それを支えてくれたのがアーネストだ。
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