第十五話

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 あの男たちに触られたときは不快感しかなかった。  アーネストは違う。  もっと触れてほしい、もっと熱を感じたい、そして―― 「抱いてください」  それは紛れもなくオレリアの心からの気持ちである。あんな見知らぬ男に奪われるのであれば、アーネストに抱かれたい。  どちらから口づけを迫ったのか、わからない。オレリアからかもしれないし、彼から求められたかもしれない。  初めて重ねた彼の唇は、やわらかくてひんやりとしていた。外にいたから、夜風で体温を奪われたのだろう。  オレリアの身体を弄るアーネストの手つきはやさしく、触れられてもまったく嫌悪感はなかった。どちらかといえば心地よく、もっと触ってほしい。  長い口づけで息が苦しくなり、呼吸を求めるために軽く唇を開きかけると、その隙を狙って彼の舌が口腔内に侵入してきた。  突然のできごとに驚き身体を引くが、逃げるなとでも言うかのように、頭の後ろを押さえ込まれた。  結婚式の誓いの口づけは額に落とされただけ。  初めて唇と唇を合わせたのに、それはとても深くて熱い。  苦しくなって顔を背けようとしても、彼の力強い手はオレリアの頭を解放しない。
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