248人が本棚に入れています
本棚に追加
あの男たちに触られたときは不快感しかなかった。
アーネストは違う。
もっと触れてほしい、もっと熱を感じたい、そして――
「抱いてください」
それは紛れもなくオレリアの心からの気持ちである。あんな見知らぬ男に奪われるのであれば、アーネストに抱かれたい。
どちらから口づけを迫ったのか、わからない。オレリアからかもしれないし、彼から求められたかもしれない。
初めて重ねた彼の唇は、やわらかくてひんやりとしていた。外にいたから、夜風で体温を奪われたのだろう。
オレリアの身体を弄るアーネストの手つきはやさしく、触れられてもまったく嫌悪感はなかった。どちらかといえば心地よく、もっと触ってほしい。
長い口づけで息が苦しくなり、呼吸を求めるために軽く唇を開きかけると、その隙を狙って彼の舌が口腔内に侵入してきた。
突然のできごとに驚き身体を引くが、逃げるなとでも言うかのように、頭の後ろを押さえ込まれた。
結婚式の誓いの口づけは額に落とされただけ。
初めて唇と唇を合わせたのに、それはとても深くて熱い。
苦しくなって顔を背けようとしても、彼の力強い手はオレリアの頭を解放しない。
最初のコメントを投稿しよう!