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鮮やかな黄色のドレスをまとい、帽子を深くかぶっている。顔と髪を隠しているのは、すぐさまアーネストに素性を知られないようにとしているからだろう。
「案内、ありがとう」
女性の明るい声で、ジョアンは黙って下がる。
(誰だ――)
その声に聞き覚えがあるかもしれないが、それがピンとこない。
それに、彼女から敵意は感じなかった。ジョアンがここまで連れてきた時点で彼女は敵ではないのだが――
マルガレットでもシャトランでもない。長い時間を共に過ごした彼女たちだから、こうやって顔を隠されても雰囲気でわかる。
彼女が帽子をとると、パサリと隠されていた髪が流れた。それは、夜明けの空を表す明るい黄色かかった赤色の曙色。
アーネストは息を呑んだ。
「旦那さま、お会いできて光栄です――」
スカートの裾をつまんで挨拶をした姿は、十二年前に初めて顔を合わせたときを思い出す。
「オレリア……か?」
「はい、オレリア・クワインでございます」
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