第十七話

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 だからあれ以降、オレリアはアーネストに会っていない。表に立っていないのだから、仕方のないこと。  そしてきっちりと約束の期間、食堂の仕事をやり終えてから、アーネストに突撃すると決めた。  オレリアはガイロの街に来てからというもの、マルガレットやシャトランと手紙のやりとりをして、アーネストの姿を確認できたことは報告しいていた。  マルガレットの返事は過激で「押し倒せ」とも書いてあったが、あれを押し倒したかと問われると微妙なところである。  とにかくアーネストの気持ちはよくわからないけれど、オレリア自身の気持ちは彼に伝えるつもりだった。  伝えなければ絶対に後悔する。嫌われていたとしても、自分の気持ちだけは――  黒く染めていた髪を元に戻し、明るいドレスを着てアーネストの執務室へと突撃した。  そして、リリーとオレリアが同一人物であると伝えたのだが、アーネストは項垂れて今、隣に座っている。 「あの……アーネストさま?」  先ほどからアーネストはうんうんと唸って、オレリアを見ようとしない。 「怒って、おりますか? その……突然、このように押しかけてしまって……」
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