第十七話

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 アーネストはもう一度オレリアの隣に座った。ここで距離をとられたら、オレリアはショックで倒れたかもしれない。でも、これで拒まれていないとわかった。  アーネストの執務室には初めて足を踏み入れたが、白い壁に白い天井と飾り気のない部屋だった。 「あの……アーネストさま」 「なんだ」 「ごめんなさい。その……騙すようなことをしてしまって……怒っていらっしゃいます?」  オレリアがじぃっとアーネストに視線を向けるが、彼はこちらを見ようとはしない。項垂れて下を見たまま、大きく息を吐く。 「怒ってはいない」 「でしたら、どうしてこちらを見てくださらないのですか?」  ひくりと大きな身体が震えた。 「オレリアが……」 「わたしが?」 「その……思っていたより、美しすぎて……」  オレリアの胸がきゅんと疼いた。美しいと言われて恥ずかしいけれど嬉しくて、それよりもこんな拗ねたような態度を取るアーネストが可愛らしい。 「アーネストさま。これからもわたしたちは一緒にいるんですよね? わたしたち、離縁はしませんよね?」 「そ、それは……」 「アーネストさま!!」
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