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ぴくりとも反応を示さないアーネストにオレリアは抱きついた。
「うおっ」
彼もそんなことをされるとは予想していなかったのだろう。オレリアに抱きつかれ、バランスを崩して長椅子に倒れ込む。
「アーネストさま」
無理矢理彼の顎をとらえ、オレリアはその唇を奪う。
これぞマルガレットの「押し倒せ」だろう。ふにっと彼の唇に少しだけ触れたのに、いきなり頭の後ろを鷲づかみにされ、深く口づけてくる。
「んっ、ん……ん、んっ!」
苦しくなって、アーネストの肩をバシバシと叩くと、やっと彼が解放してくれた。
「アーネストさま……く、苦しいです」
はぁはぁと顔を真っ赤にしながら、涙目でアーネストを見上げた。
「煽ってきたお前が悪い。俺は、ずっとこうやって耐えていたというのに」
「耐えていた? 怒っていらっしゃったのではなく?」
「今だって、お前を押し倒したい衝動と闘っている。だが今、それだけは駄目だと俺の理性でなんとか耐えている」
「え、と。それって……」
オレリアとしてはどうしてもいい方向に考えてしまう。
「まあ、いい。それで、お前はどうしてこんな場所まで来たんだ?」
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