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アーネストもここに居を構えているのだが、単身というのもあって執務室内に寝泊まりすることが多かった。
だから、本来のアーネストの邸宅にオレリアを連れてきたときに、彼女は呆然と中を見回した。
「なんですか! ここ。アーネストさま、ここに住んでいらしたのですか?」
「いや、ここは荷物を取りにくるだけで……寝泊まりはほとんど向こうだ」
「片づけます!」
ただの荷物置き場となっており、足の踏み場もなかった邸宅を、オレリアがせっせと片づけ始めた。
トラゴス国の王女であれば、このようなことをしないだろう。すっかりとミルコ族の精神が身についたものだと感心して見ていたら「アーネストさま。何をぼんやりなさっているのですか!」と一喝され、アーネストも片づける羽目になったのだ。
どうやらオレリアはシャトランに似てきたようだ。
とりあえずその日は、寝る場所を確保したが、十二年の年季の詰まった荷物置き場を片づけるのは、そんなに容易くない。
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