第二十話

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 室内にはアーネストとジョアンがいた。二人で書類を確認して、ああでもない、こうでもないと言っていたのだろう。以前は山のようにあった書類も、今ではその山が三分の一にまで減っていた。 「アーネストさま。これは、いったいなんですか?」  バンと机の上にたたき付けたのは、先ほど見つけた女性ものの首飾りである。 「お前……これを、どこから……」  目にした瞬間、アーネストは慌て始める 「荷物を片づけておりましたら、衣装部屋の奥から出てきました。どこからどう見ても、女性もののようですが?」 「え? 閣下……まだ、お渡ししてなかったんですか?」  どうやらジョアンもこの首飾りの存在を知っていたようだ。  オレリアはジョアンもギロリと睨んだ。 「やっぱり、アーネストさまには、他に思う女性がいらっしゃるのですね? わたしがこうやって押しかけてきたから、仕方なく……」 「ち、ちがう……」  そうやって詰め寄られて、「はい、そうです」なんて答える男がいるだろうか。  バンと机を両手で叩き、オレリアは身を乗り出す。
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