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守ると約束しておきながらも、側にいてやることすらできなかった。側におけば逆に危険にさらされるのではとも思っていた。だから、突き放す。
そうするつもりだったのに、最後の最後でそれすらできなかったのは、やはり心のどこかで彼女を手放したくないと願っているから。
約束も守れないような枯れ始めた男に、彼女は眩しかった。
アーネストだってなんだかんだと心の中で言い訳を考えながらも、彼女の側にいたいのだ。
それを認めるのに、ずいぶんと回り道をして時間がかかっただけ。
「わたしが一番助けて欲しかったときに、手を差し伸べてくださったのがアーネストさまです」
彼女の腹部を支えるようにして抱きしめていたアーネストの手に、オレリアの手が重なる。
「だけど、俺は十二年間もお前を放っておいた」
「あのとき、アーネストさまがわたしに寄り添ってくださったから、十二年間、待ち続けることができました。十二年前のあの日、わたしはアーネストさまに救われたのです」
彼女だって望んだ結婚であったわけではないだろうに。
「そうか……そう思ってもらえたのであれば、何よりだな」
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