第二十三話

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 きょろきょろと周囲を見回しながら歩いていたオレリアは、アーネストのその言葉で彼の顔を見上げた。 「プレゼントですか? 今までアーネストさまが買ってくださったものは、全部、受け取りましたよ」  あのとき、彼に突きつけた黒曜石の首飾りは、今は、オレリアの胸元を飾っている。 「だが、あれは九歳から十九歳までの誕生日プレゼントだ。十一個しかなかっただろ?」  九歳の誕生日プレゼントは、黒と赤がまだら模様になっているリボンだった。十歳の誕生日プレゼントは、小さなうさぎのぬいぐるみで、十一歳の誕生日プレゼントは手巾。十二歳になれば髪飾りで、十三歳は腕輪、十四歳は耳飾り、十五歳はショール、十六歳はエプロンドレス、十七歳が首飾りで、十八歳でナイトドレス、十九歳で下着だった。
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