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大通りに通した入り口は、ステンドグラスが眩しく輝いている。扉を押し開けると、カランコロンとベルが鳴った。
「いらっしゃいませ」
黒いドレス姿の店員が、にこやかな笑顔で出迎えてくれた。
「今日は、何をお探しでしょうか」
慣れた口調で、声をかけてくる。
「妻に指輪を」
妻と呼ばれたことで、オレリアはかっと頬が熱くなった。結婚してからというもの、夫婦らしい生活は営んでいない。それでも彼は、オレリアを妻として認めてくれている。
目頭が熱くなり、下を向く。
「おい。どうした?」
困ったようなアーネストの声が上から注がれてきたが、今、顔をあげたら涙がこぼれてしまう。
「かわいらしい奥様ですね」
どうやら店員は、オレリアの気持ちをくみ取ったらしい。
「では、こちらでゆっくり選びましょう」
「はい……」
下を向いたまま、オレリアは返事をした。
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