第二十四話

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「ほら。ガイロの警備を強化する話は前にもしただろ? それで少し、一区と二区を実際に見て回りたいんだ。お前と一緒に歩いたほうが、自然だからな」  せっかっくのお出かけであるのに、このようなことを言い出したアーネストに対して不機嫌になるかと思われたオレリアだが「帰りに、お菓子を買ってくださいね」という一言で快諾する。 「悪いな、俺につきあわせて」 「いいえ。アーネストと一緒でしたら、どこでもいいんです。一緒にこうやって歩いているだけで、楽しいので」  そのようなことを言われれば、アーネストだって悪い気はしない。だから、胸にチクリと針が刺さるような痛みを感じた。  しっかりとオレリアの手を握りしめ、一区を歩く。ここは、独身であるが収入の低い者たちが住んでいる地区で、納める税金が一番安い。そのため、住宅も集合住宅が多くなっている。  それも通りに面したところだけで、奥に行けば建物はなくなり、寂しい場所になる。ずんずんと進むと、目の前には白壁が広がる。
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