第二十四話

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 アーネストが急に目的地を変更したのは、その者たちをおびき寄せるためでもあった。さすがに人通りの多い場所で暴れては、関係のない者たちまで巻き込んでしまう。  オレリアを連れていることだけが心配であったが、彼女と離れたら離れたで、彼女を狙ってくるかもしれない。  ひゅぅっとぬるい風が吹いて、アーネストの前髪を揺らす。背後からはオレリアの息づかいが感じられたが、彼女が騒いだり泣いたりしていないことに安堵する。怖い思いをさせている。  オレリアを一人にはできないと思いつつも、近くにいすぎても彼女を巻き込んでしまう。  アーネストはぎりっと奥歯を噛みしめた。  相手に隙を見せぬよう、睨みをきかせる。  建物の影から、みすぼらしいローブを羽織った三人の人物が姿を現す。フードも深くかぶり、顔はわからない。男か女かもわからない。だけど、体格からなんとなく男性だろうと察する。  彼らは腰から何かを引き抜いた。太陽の光をきらりと反射させるそれは、刃。三人とも、ご丁寧にアーネストに剣先を向けていた。 「オレリア……」  視線を彼女には向けず、静かに幾言かだけ告げる。彼女が声をあげずに頷いたのを感じ取った。
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