第四話

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「古い城だが、その分、造りはしっかりとしているし、中も快適で過ごしやすいはずだ」  オレリアが案内されたのは、王城の本館と回廊でつながっている離れの館であった。 「ここが、陛下が俺たちのために整えてくれた部屋だ。だが、俺はまだ向こうで寝泊まりをする。やることが多くてな」 「……はい」  アーネストの顔を見上げて、すぐに視線を逸らす。  彼は、花嫁がオレリアでがっかりしているのだ。誰だって、がっかりする。何よりもオレリアはまだ子ども。  彼のような立派な男の花嫁が、たった八歳の子どもなのだ。  誰がどうみたって、おかしな話である。 「わたしのような者で、申し訳ありません……」  くしゃりと、頭を大きな手がなでた。 「俺もお前には聞きたいことがたくさんある。だが今は、それを問いただすつもりはない。とにかく、ゆっくり休んでくれ……メーラ殿……」 「は、はい……」 「俺の花嫁を、よろしく頼む。俺は、本館のほうにいる。用があるなら遠慮なく来てもらってかまわない。夕食はダスティン……陛下たちと一緒にとることになるが、それは問題ないか?」 「はい……閣下のお言葉に従います」
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