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また、アーネストは怪訝そうに眉根を寄せてから、静かに部屋を出ていった。
扉が閉まるのを見届けてから、オレリアは肩を大きく上下させた。
「……はぁ。緊張したわ……」
「立派でしたよ、オレリア様」
メーラの言葉で、オレリアの気持ちもふと緩む。
「閣下はお優しい方でしたね」
それはアーネストが大人だからだ。きっと彼は姉のミレイアが来ると思っていたのだろう。だから、花嫁の年を十八歳と言ってみたり、メーラを花嫁と勘違いしてみたり。
オレリアが望まれていないことなど、一目瞭然だった。だけど、この結婚をないものにはできない。
「メーラ。そういえば、閣下のお年は、いくつだったかしら?」
「……そうですね。確か、今年で二十八歳になられたかと……」
オレリアとは二十歳も年の差がある。誰が見てもふざけた結婚だ。そしてこのふざけた結婚を考えたのは、トラゴス国王に間違いないだろう。ずっとそんな思いはしていたのだが、アーネストとのやりとりで、それは確信にかわった。
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