第五話

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第五話

 オレリアは晩餐用のドレスに着替えた。夜空のような濃紺のドレスで落ち着いた色合いだが、袖やスカートにはフリルがたっぷりと使われていて、胸元には大きなリボンが飾り付けてある。大人と子どもの狭間のような雰囲気を醸し出していた。  コンコンコンと遠慮がちに扉が叩かれた後、部屋に入ってきたのはアーネストだった。やはり彼は、先ほどと同様、軍服姿である。 「オレリア王女殿下。迎えにきた……」  そう言ったアーネストは、オレリアの全身にじっくりと視線を這わせてから、目を細くする。 「思うのだが……あまり、子どもらしくないな……八歳と言っていたな?」 「え?」 「いや……ミルコ族の子どもは、もっとこう……騒がしい」 「それは、オレリア様がトラゴス国の王女だからです。いかなるときも王女としての振る舞いをと、幼い頃から教育されておりますから……」  はっとしたメーラは口元を押さえた。 「出過ぎた真似を……申し訳ございません」
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