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そう口にしたアーネストだが、オレリアを守りたいと思った理由は他にもあった。それはおそらく庇護欲。
不安定な彼女をこのままにしてはいけないと、心が強く動いた。
幼い彼女が気丈に振る舞う姿を見たら、彼女がこうしなければならない理由も知りたくなった。それは好奇心かもしれない。
そして、あのときの――ラフォン城を見上げて驚きながらも微笑んだ表情を、もう一度見たかった。あれは子どもらしい顔をしていた。赤ん坊をずっと見ていられるように、あの表情はずっと見ていたい。
だけどそれらを、ダスティンや族長に教えるつもりはない。
「どちらにしろ……トラゴス国の王女がこちらにいる以上、彼らはハバリー国に手を出さないだろう。この結婚はそういうものだ」
骨付き肉を手にしたアーネストは、それを勢いよくかみちぎった。こってりとした味が、口の中を支配する。
「……あなた」
穏やかに声をかけたのは、族長の妻シャトランである。
「私には難しい話はよくわかりません。ですが、あの子はほんの小さな女の子。あの子の振る舞いを見て、あなたは何も思わなかったのですか?」
「何?」
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