第六話

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 そう口にしたアーネストだが、オレリアを守りたいと思った理由は他にもあった。それはおそらく庇護欲。  不安定な彼女をこのままにしてはいけないと、心が強く動いた。  幼い彼女が気丈に振る舞う姿を見たら、彼女がこうしなければならない理由も知りたくなった。それは好奇心かもしれない。  そして、あのときの――ラフォン城を見上げて驚きながらも微笑んだ表情を、もう一度見たかった。あれは子どもらしい顔をしていた。赤ん坊をずっと見ていられるように、あの表情はずっと見ていたい。  だけどそれらを、ダスティンや族長に教えるつもりはない。 「どちらにしろ……トラゴス国の王女がこちらにいる以上、彼らはハバリー国に手を出さないだろう。この結婚はそういうものだ」  骨付き肉を手にしたアーネストは、それを勢いよくかみちぎった。こってりとした味が、口の中を支配する。 「……あなた」  穏やかに声をかけたのは、族長の妻シャトランである。 「私には難しい話はよくわかりません。ですが、あの子はほんの小さな女の子。あの子の振る舞いを見て、あなたは何も思わなかったのですか?」 「何?」
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